めぐみカイロプラクティック の日記
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水曜日です。池下彰です!
2011.05.18
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今週はビンラディン射殺と言うショッキングなニュースが飛び込んできました。
と同時にしばらくご無沙汰だった池上先生が特番でTVに登場されましたね。
アメリカの敵、稀にみる犯罪者の解説をされていました。 さて、私の方は「俺たちに明日はない」のお話の続き、そう稀にみる犯罪者
ボニー&クライドの3回目です。同じネタで?と言わずに付き合ってください。 『俺たちに明日はない』でえがかれたクライド・バローとボニー・パーカーの
二人組は、30年代のアメリカで暴れ回った実在の強盗カップルだという事は
前にもお話しました。 映画はほぼ事実を語っていますが、どこが架空でどこが事実なのでしょう? では、それを考えるため、現在日本で最も真実に近いものを語っていると思わ
れるジョン・トレハーン著の“ボニ―&クライド”から彼らの出会いのあたり
を見てみましょう。 彼らは腕を折ったボニーの友人の家で出会っています。良く言うボニーの
勤めていたカフェでは無く、彼女の家の前でもありません。そこで二人は
恋に落ちたようです。まだその頃のクライドは略奪犯程度の人物であり、
(殺人はまだ、犯してはいません。)その家で好物のホットチョコレート
をエプロン姿でかき混ぜているような男だった様です。ボニーの母エンマ
ともその時に逢っています。
但し、その直前まで共犯だった、兄バックは捕われ刑務所送りとなってい
ますが・・。 ここで、院長も気にしていたクライドの性癖ですが、確かに潜在的ゲイと言
われています。しかし、若き日の彼には彼女も存在し、一度は結婚したと嘘を
ついてまでグラディスと言う女性と同棲をしています。(「俺たちに明日
はない」で最後にウォーレンがフェイをこの名で呼び止めるのは偶然でしょ
うか?)だから、一般的な恋愛感情が交じっていてもおかしくは無いでしょう。 一方、ボニーの方は16歳の時にロイ・ソーントンと言う男性と結婚し、
彼女の異常な程のマザコンぶりも災いして、破局しています。しかしその後、
彼が金庫破りで逮捕されると何故か離婚の手続きをせず、戸籍上は一生、
彼の妻となっています。 その後の二人は、ボニ-の妹のビリ-・ジ-ン・パ-カ-の言葉を借りると
(1968年ころのインタビューですが)「当時、クライドは警察に追われ
ていました。それでもボニ-とクライドは会ってから、逮捕されるまでの2
週間ずっと一緒にいましたが、クライドは5件の車泥棒の容疑で、逮捕され
ました。」だそうです。逮捕現場はボニー家だった様です。つまりボニーの
目の前で。彼女は気も狂わんばかりに泣き叫んだそうです。 それからのボニーは手紙を届けるため妻と偽り、拘置所のクライドとけなげ
にも文通を始めています。また面会にも度々訪れているのです。時には日に
2回も・・。 さらには絶望し、自分が自殺も考えるさなか、クライドが真っ当な人間に戻
れるよう説得すら行っているのです。 しかし、クライドの頭の中は脱獄、この嫌な檻から逃げ出す事だった様です。
彼女を唆し、刑務所仲間の家から32口径のコルトを運ばせ、まんまと手に
入れ、それを使って脱獄に成功しています。この時ボニーの事は発覚せず、
罪には問われてはいませんが。 それだけ苦労した脱獄にも係らず、わずか1週間で事務所荒らしで再逮捕
されています。つまりはかなりのドジだったと言うしかありませんね? その後の事は次回以降に置くとして、この様な女性が「俺たちに明日はない」
以前はかなりの悪女に描かれたのでした。どうしてでしょうか?実際彼女は
最初の殺人の何人かには関係もしていないのに、その後の捏造によって皆勤
参加となっています。 2人の射殺直後には当時のフーバーFBI長官はギャング撲滅キャンペーン
の一環として彼ら2人を魅力ある人間として描くのを嫌いました。
その頃与えられたボニーのイメージは例外なく大柄な性悪な女性で男を手玉
にとって彼らに悪事を働かせると言うものです。 ただ、一方で大不況のなか、「その凄惨な最後」や「見せしめの為に当時、
遺体を公開された」ことによって偶像化された人気者は、民衆からやはり
スーパーギャングを求められ、その姿が勝手に一人歩きし、枝葉が付いた
のもまた事実でしょう。 あの世の彼らが今、口を効けたなら何と言うか聞いてみたいのは私だけで
しょうか?ボニーと夫ロイ・ソーントン 本物(左)と映画のふたり