めぐみカイロプラクティック | 日記 | 水曜日です。池下彰です！

今週は、ボニー＆クライドの５回目シリーズ最終回です。
二人のトリビアを書いてみようと思います。
トリビアとはご存知の通り、くだらないこと、瑣末なこと、
雑学的な事柄や知識、豆知識の事です。 ＊ウォーレン・ビーティの儲け ワーナー・ブラザーズはこの映画の成功をほとんど予測してなかったので、
ビーティにプロデューサーとしての最低賃金を払う代わりに、映画の利益
の40%を支払うという前代未聞の条件を提示していた。結局この映画は5000万
ドル以上を売り上げ、ビーティも一財産を築くことになった。 ＊ニュー･シネマの流れ 「イージー・ライダー」’69年、「明日に向かって撃て！」
’69年、「真夜中のカーボーイ」’69年、「タクシー・ドライバー」’76年など ＊マイケル・Ｊ・フォックス 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマイケル・Ｊ・フォックス
は、役者になる時に同姓同名の役者がいたので、敬愛するマイケル
・Ｊ・ポラード（Ｃ・Ｗ・モス役）のＪを付けたそうだ。 ＊ウォーレンが最後にフェイを呼ぶ偽名「グラディス・ジーン」とは？ マリリン・モンロー（Marilyn Monroe、1926年6月1日 - 1962年8月5日）
母：グラディス・モンロー・ベイカー、本名：ノーマ・ジーン・モーテンセン。
モンローは、正式な書類にサインするときはモーテンセンの姓を使ったが、
そうでないときは母親の姓を使ってノーマ・ジーン・ベイカーと名乗ること
が多かった。この二人の名から来たのか、ボニーに会う前に、クライドは
グラディスなる女性と同棲しているため、それを使ったのか？ ＊映画の中のデリンジャースタイル 実は銀行で客の金を奪わない。またバック（ジーン)がカウンターの壁を
ひらりと越すなどのシーンはデリンジャー（２人の死後、僅か２ｶ月後に
シカゴでFBIに同様に射殺された有名な銀行強盗。彼は二人を素人の銀行
強盗と非難した。）のスタイルを頂いたもの。 ＊熱帯夜　(松田優作と桃井かおり) １９８３年９月９日・１６日・２３日（三回連続）フジテレビ放送。
キャスト：桃井かおり　松田優作　熊谷真美　せんだみつお　岸部一徳等
日本版「ボニ―＆クライド」―俺達に明日はない。松田優作と桃井かおりが
次々と銀行強盗して逃避行する話。スクープ写真もモチーフとなっている。
最後はやっぱり射殺。 ＊ボニー＆クライドの時代 ボニ－・パ－カ－(1910.10.1 - 1934.5.23）
クライド・バロウ（1909.3.24 - 1934.5.23）
１９３０年頃、世界恐慌が吹き荒れ、シカゴではアル・カポネが暗躍している
時代である。（二人は彼より１０歳程若いだけである。）西部ではまだ、一匹
狼的ギャングが活躍しており、ジョン・デリンジャー（1934年7月22日、31歳
で射殺）やプリティボーイ・フロイド(1934年10月、30歳で射殺）ベイビー・
フェイス・ネルソン(1934年11月26日、36歳で射殺)マシンガン・ケリー
(1933年9月逮捕59歳まで生存)は全く同一次代である。 ＊ロバでの逃走 １９３２年３月初めてボニーを仲間に加え行った強盗で警察に追われた一味は
逃げる途中、車をぬかるみに落とし、こともあろうに、近くにいたロバに乗って
逃走しようとした。結果はロバが言う事を聞かず、バラバラになった3人のうち、
当時の仲間ラルフ・フルツとボニーが捕まってしまった。ボニーの逮捕は後に
も先にもこれ一度だけである。ボニーの懲役中クライドは、このラルフの代わ
りに仲間に入ったハミルトンと最初の殺人、ブッチャー殺しを犯す。
尚、ボニーは釈放後、再びクライドらと行動を共にする。 ＊破産した銀行 バロウ・ギャングは実際に破産した銀行を襲ったことがある。ハミルトンが去り
２人になった１９３３年秋頃、老銀行員しかいない破産した銀行を襲ってしまっ
ている。その後、新たな若いメンバーとして、ウィリアム･ダニエル･ジョーンズ
(c. w.モスのモデル)を補充した。彼はガソリンスタンドでスカウトされた
のでは無く、小さい時からの知り合いでボニーの家へ呼び出され、自らの意思
でやって来る。 ＊新聞社への抗議 彼らは一時有名になった事を喜んでいた節があるが、ジョップリンでの撃ち
合いの残留品で残したフィルムの現像で表に出た写真を皮切りに、ある事ない
事を書立てられるようになり、苛立ってついには新聞社に脅迫状を送付した
事がある。 ＊不明の相棒 実は彼らの犯した犯行の中で１９３３年１１月８日のオーバートンでの
石油精製業者オフィス襲撃を行ったメンバーは３人組だった事は分かっ
ているがボニーとクライドを除いてもう１人は判明していない。
日頃、手紙や面会で近況を知らせていた家族も知らなかった様だ。今と
なっては調べようも無い。 ＊仲間割れ 初期の仲間であり、脱獄を手伝ってまで再び仲間にしたレイモンド・ハミルトン
だったが、金の配分と女性の問題により、仲間割れ。最後は殺す、殺さないの
仲の悪さだった。（彼はその後、電気イス送りとなっている。） ＊悲惨な逃亡生活 実際に無傷なのはウィリアム･ダニエル･ジョーンズ(c. w.モスのモデル)だけ
だった事がある。後は負傷者で、食事も満足に取れず（火を使えなかった）、
ファストフード等で飢えを凌ぎながら、潜伏をした。面が割れ宿にも泊まれ無
くなって行った。しかし、金が必要なため小さな店を襲う事はやめれなかった。
逃亡末期はかなりの八方塞がりだったが、映画の通り、ケガの回復後すぐの様
に射殺された。 ＊ボニーの詩の中に出てくるジェシー・ジェイムスとは ジェシー・ウッドソン・ジェイムズ
（英: Jesse Woodson James、1847年9月5日? - 1882年4月3日）
は、アメリカ西部開拓時代のガンマン、無法者。
1866年2月13日に、アメリカでジェシー・ジェイムズが世界初の銀行強盗
に成功したことから、2月13日は「銀行強盗の日」となっている。
彼らの憧れか？ ＊二人が射殺された時の車（デスカー）： 1934年　フォードフォルダデラックスセダン・モデル７３０
3-17832？（どうせ正規のナンバーではないから）
この「蜂の巣」にされたV8フォードは、25セントの入場料で、州のフェアに
長い間展示された後、クライドが最後に着ていたシャツ等と共にネヴァダ州
プリムにある観光施設プリム・ヴァレー・リゾートで2009年から展示されて
いる。写真をみると分かる通り弾は全て運転席側から助手席側へ抜けている。
しかし何と、この車はこの姿でレースに出たこともある。 ＊良く使用した愛車： 1932年　フォードＶ８ B-400コンバーチブル・セダン
(しょっちゅう盗難して変えていたが写真で有名な車。二人と言えばこれ！）
№は　ﾃｷｻｽ-1933 587★956 ＊フォードへの感謝の手紙 ２人が好んで乗っていた車はフォード社の「フォードV8」と呼ばれる最新
モデルで、当時の大衆車の中で最高の速度と加速力を備え、実際のところ、
警察の車では追いつけなかった。当時、フォード社長に対し、
「貴社で製造していらっしゃるこのV8が本当に良く走るので、我々も非常に
仕事がし易く、感謝している」むねの手紙をクライドがクライド・チャンピ
オン・バロウの名で送ったというエピソードが知られている ＊狙撃者と二人の関係(テッド・ヒントン） 最後に彼らを追い詰めた1人テッド　ヒントンＦＢＩ捜査官は西ダラスの
生まれで、実は二人とよく似た環境で育った。ボニーがカフェでウエイ
トレスをしていた時は常連客だったし、バロウ家とは少年時代から顔見知り
だった。またクライドがまだ働いていた頃は、同じウエスターン・ユニオン
社の電報配達員だった。彼は宝塚歌劇の「凍てついた明日」では登場する。 ＊ビンラディン同様最初から抹殺 彼らは「止まれ」の一言も宣言されていない。当局は初めから２人を
抹殺するつもりだったとしか、言い様がない。この点、生かしておくと
面倒と考えられたウサマ・ビンラディンに似ている。最初は歓喜の声を
あげた民衆もだまし討ちには賛否両論となった。
彼らが伝説になった一つの理由であろう。 ＊ならばなかった墓 　ボニーも最期は予見していたようで母親への手紙にこう書いている
「わたしたちの罪を償うには自分たちの死をもって以外には考えられない。
でも死後はクライドといっしょのところに埋葬して欲しい」
しかしボニ－とクライドは、その母の強い反対で、それぞれ別の墓に
眠っている。ボニ－の墓石は、ダラスのフィッシュトラップ墓地にあったが、
一九四五年に同市のクラウン・ヒル墓地に移された。クライドはウエスト
ダラス墓地に葬られている。二人は最期まで結ばれる事はなかった。。。 ＊ボニーの墓碑銘 ボニーは自分の墓碑銘を書き残していた。 「いつの日か、二人ともに倒れ、
肩を並べて眠るだろう
少なき者には嘆きとなろう。
警察には安堵となろう。
だが、ボニーとクライドには
すべての終わりとなる。」 ＊その後の家族の行動 騙し打ちに会った事を怒っていた親族だが、民衆がそれ程彼らを憎まず
人気があることに気付いた。なにせクライドの遺体を購入しようとした者
まで居たらしい。クライドの母は銃器を警察から取り戻そうとしたし、姉
はボニーの母と共著で小冊子を発行した。更に３４年後映画がヒットした
頃にはボニーの妹が２人を語るためにレコードを出した。その他の関係者
も多かれ少なかれ同様だった。それが二人の解釈を幾種にも与え、また８０
年前に起こった事件を今も詳細に伝えている。そう彼らは伝説になったのだ。 ＊May 23, 1934（二人の命日）は？ Robert Moog(May 23, 1934 - Aug. 21, 2005)
どうでも いい話だが(?)、この日はロバート・モーグ博士の誕生日だ^^ 彼は
　"ムーグ(モーグ)・シンセサイザー" の産みの親である。
この楽器は60年代から多くのミュージシャンたちに愛用されてきている。特に
ビートルズがアルバム『Abbey Road』のレコーディングで使用したことで、
一躍その名が知れ渡ったと言われている。形は変わったが今も欠かせない楽器。 この年（昭和９年）、日本では室戸台風が吹き荒れ、ベーブルース引きいる
メジャー軍団が沢村栄治と対戦している。世界的にはアドルフ・ヒトラーが
総統になっている。サッカーワールドカップは２回目がイタリア王国で開催。 ＊殺人数 はっきりしているだけで１２名。ただ致命傷の一発を一味の誰が撃ったのか
分からない者も多い。ボニーは誰も決して殺さなかったと言われている。
はっきりとしているものが無いからだ。ただ、少なくとも包囲された時、
警官隊に対しては発砲していると思われるため、人数は少ないだろうが
真実はわからない。


　 　 　 　
１段目左からボニー役時のフェイ,熱帯夜,２段目左からデスカー当時,デスカー現在,
３段目左から射殺記念碑,クライドのシャツ,４段目左からフォードへの感謝状,
ボニー＆クライド本人

いかがでしたか？１か月に渡ってしつこくボニー＆クライドについて
書いてみましたが、まだ、トリビアは残っています。例え２０数歳で亡
くなったギャングの話でも人の人生はやっぱり語りつくせないものです。 次週からは新たな題材をまた探して行きたいと思っています。 参考：“ボニ―＆クライド”　ジョン・トレハーン著　河合修治訳　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中央アート出版 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（池下　彰）